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音の高さは周波数で表すことができます

 

音の高さは、音楽では五線譜上の音符の位置で表されますが、音響の世界では、音の高さは周波数で表されます。

音は、普通、ある速さで空気が振動する現象ですが、その振動の速さ(1秒間に振動する回数)を数値で表したものが周波数[Hz](ヘルツ)です。数値が小さい(=振動がゆっくり)と低い音、数値が大きい(=振動が速い)と高い音で、ヒトの耳で聴くことができるのは、一般には 20Hz~20kHzと言われています。

 

下の図は、ヒトの可聴域(かちょういき)(聴くことのできる周波数範囲)において、高さごとにその代表的な音の例を示したものです。一般に低音域は100Hz以下を、高音域は1kHz以上を指すことが多いようですが、基準があるわけではないので、この感覚には個人差があります。また、楽器音、声楽は、その基本周波数について示してあります。
 

ミドルC(真ん中のド)からの1オクターブは周波数でいうと261Hz~523Hzですので、音楽の主旋律は図で示した中音域を主に使っていることが分かります。

一般に可聴域は20Hz~20kHz と言われていますが、実際にはそれよりずっと狭くなります。特に成人では、16kHz 以上が聴こえる人は稀と言ってもよいでしょう。たとえばモスキート音は、20歳以下の若者の無謀な行動を抑制することを目的とした17kHzを基本周波数としたブザー音ですので、若者には不快な音と認識されますが、成人にはほとんど聴こえない音なのです。また、低音域では耳の感度が極端に低下するので、例えば50Hz以下は十分な音量がないと、その音を聴くことはできません。

 

ただし楽器音の場合、基本周波数が低くても、上音(倍音成分など)が含まれているので、音が聴こえないことはありません。楽器の基本周波数の範囲はおおむね30Hz~4kHzですが、楽器音には上音成分が含まれますので、実際には可聴域いっぱいに周波数成分が含まれています。