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音の三要素、音楽の三要素

 

楽器の音、音楽の音、人の声、騒音、生活音...音は無限ともいえるほど様々な種類があります。しかしそれらの音を構成するのは、次の3つの要素です。そして、その3つの要素のバランス(混ざり具合)が時間とともに、どう変化したかによって、聴こえてくる音の性質(特性)が決まります。

 

その「三つの要素」は、下の表に示したように、高さ、大きさ(強さ)、音色です。

これは小・中学校の理科の授業でも習ったはずなので、思い出した方もいらっしゃることでしょう。しかし注意すべき点があります。それは、この三要素は、一つの音の「ある瞬間」をとらえたものであることです。ある瞬間の音の「高さ」、ある瞬間の「大きさ」、ある瞬間の「音色」です。ところが、ほとんどの音、特に楽器音は、たった一つの音(単音)といえども、またそれがたった1秒で鳴りやんでしまうような音でも、その短い時間に「高さ」、「大きさ」、「音色」が刻々と変化し続けるのです。その音を構成する三要素が、時間とともにどう変化したのかを把握することが、もっとも大切です。

 

表 音の三要素

音の三要素

代表的な単位など

楽器音では

重要な要素

高さ

周波数 [Hz]

基本周波数

 

時間変化

(エンベロープ

など)

大きさ(強さ)

音圧レベル [dB]

ダイナミックレンジ

音色

周波数成分

上音・倍音の構成

 

 

 

 

 

 

では、音楽の三要素とは、どんなものでしょうか。
音楽の三要素は、下の表に示したように、メロディ(旋律)、ハーモニー(和声)、リズム(律動)であると言われています。
これは、感覚的に理解しやすいことと思います。
メロディは音の高さが時間とともに様々に変化し続けることで作られます。ハーモニーは、協和する音程を持つ複数の音が重なり合って、時間とともに様々に変化することで表現されます。リズムは、メロディ、ハーモニーを構成する音の高さ、音程に加えて音の強弱、音色などが一定の規則性を保ちつつ、時間とともに変化を続けることで、作られます。

 

表 音楽の三要素

音楽の三要素

要素の内容

メロディ

音の高さが様々に変化しながら進行していく

ハーモニー

複数の高さの音が重なり合いながら変化し、進行していく

リズム

音の時間的な長さが、一定の規律、パターンに従って進行していく